2024年2月追記※大幅に加筆※
※2019年4月、2020年6月、2021年撮影
開店:1989年4月30日
延床面積:12万1014平米(約四万坪)
〈備考〉
時間消費型商業施設「マイカルタウン」1号店です。
本牧にかつてあった米軍住宅の跡地に誕生しました。
最盛期は1番街~12番街(4、9は忌み数のため欠番)の10個の建物で構成されていました。マイカル本牧オープン後には、近隣にASTY館(SATY館では無い)やグロブナーススクエアといったマイカル本牧の雰囲気を受け継いだ建物もオープンしています。
建物外観はスペイン風の「スパニッシュ・コロニアル」風でまとめられています。
オープン当初はそれまで日本では珍しかったテナントを集めるなどして盛況を博しました。その後1996年に大規模なリニューアルが行われ、テナント構成も大きく変化しています。
交通の不便や他所への消費者流出、マイカル倒産など様々な要因で縮小の一途をたどり、21世紀に入ってからは当初のような「アーバンリゾート」では無くなっています。
〈構成建物〉
(周辺施設)
1番街
本牧サティ
延床面積:32284㎡(1996年)
営業時間:10:00~20:30 → ~21:00(2001年中頃から)
開業時テーマ:「高感度生活プラザ」
開業時のフロア構成:
- 5階 子供ワールドとギフトのフロア
- 子供服、おもちゃ、サンリオ、書籍「ザ シティ」、サービスコーナーなどの「MYCALカウンター」、総合ギフトコーナー、総合催事場など
- 4階 メンズファッション&スポーツ、グルメのフロア(SATY メンズファッションとスポーツのフロア)
- スポーツ用品「スポジアム21」(→スポージアム?)など
- 3階 レディースファッションとグルメのフロア(SATY レディスファッションのフロア)
- フードコート「グルメピアザ」など
- 2階 レディースファッション&グッズ、ファーストフード、カフェのフロア(SATY レディスファッションとグッズのフロア)
- アメリカ発祥のファーストフード「ワン・ポテト・ツー」や総合インフォメーションなど
- 1階 総合食品&フィッシャーマンズワーフゾーン、毎日の暮らしに役立つ専門店のフロア(SATY フーズとフィッシャーマンズワーフのフロア)
- 70tの水槽を持ち、魚のすべてを集約した魚介類売り場「フィッシャーマンズワーフ」やSATY総合食品フロアなど
- 地下1階 防災センター、駐車場(105台)
1996年3月20日リニューアル時のフロア構成:
- 5階 子供ファッションと住まいと暮らし
- 子供服、おもちゃ、2番街から移ってきた住生活用品、SATY総合サービスカウンターなど
- 4階 紳士ファッション、スポーツ・家電
- 5階から移った書籍「ザ シティ」、スポーツ用品「スポージアム」など
- 3階 婦人ファッション、グルメピアザ
- フードコート「グルメピアザ」など
- 2階 服飾雑貨
- 1階 総合食料品
- 食品売り場、「フィッシャーマンズワーフ」など
- 地下1階 駐車場
〈備考〉
核となるサティの建物です。マイカル亡き今も総合スーパーとして残っています。
定礎
大規模小売店舗プレート
消えています。
1番街の標記も残ります。
噴水
1番街2階の「イスパニア広場」にあります。
マイカル本牧のコンセプトにもなっているスペインから買い付けてきたそうです。
こういった噴水は止められていることが多いですが、ここではしっかり稼働しています。
噴水とシースルーエレベーター
エレベーターの上には1番街であることを表す「1」という大きな数字が掲げられていましたが、2010年頃に撤去されたようです。
エレベーターホール
裏側から見た1番街
2番街
延床面積:13778㎡(1996年)
営業時間:10:00~20:30
開業時テーマ:「住空間コーディネーションギャラリー」
開業時のフロア構成:
- 4階 住まいのコンサルティング アテナパビリオンフロア
- 専門スタッフが新しい「暮らし」の相談に応じる「アテナパビリオン」や企業のショールームなど
- 3階 SATY 住まいと家電のフロア
- 2階 SATY 暮らしと生活雑貨のフロア
- 1階 SATY モダンリビング&生活雑貨の専門店街
- 地下1階 駐車場(40台)
ビブレ転換後のフロア構成:
- 5階 子供写真館
- 4階 メンズアクティブカジュアルのフロア
- 3階 レディスシンプルカジュアルのフロア
- 2階 レディスファッショングッズマーケットのフロア
- 1階 レディスデザイナーズキャラクターのフロア
- 地下1階 駐車場
「KIDS TOWN」転換後のフロア構成:
- 5階 不明
- 4階 キッズタウン 子供の部屋(子供部屋インテリア、ベビー用品)
- 3階 キッズタウン 子供のファッションフロアー(こども服、プレイスペース)
- 2階 キッズタウン (おもちゃ売り場)
- 1階 GYAO本牧店
- 地下1階 駐車場
〈備考〉
当初は本牧サティの住生活用品を扱う別館だった建物です。
1996年3月20日のリニューアルオープンで本牧ビブレに転換されましたが、1999年頃に撤退しています。
1999年3月頃に、子供の街「KIDS TOWN(キッズタウン)」となり、本牧サティの別館に戻っています。
2006年頃に閉店、後に解体されました。
建物は後述の3番街と対称になるようなもので、鐘楼「マニアーナの塔」が立っていました。
3番街
開業時テーマ:「ファイナンシャル コミュニティサービス」
開業時のフロア構成:
- 3階~8階 駐車場(410台)
- 2階 金融・銀行・証券会社(後にカルチャーセンター導入で退店)、駐車場
- 1階 銀行、貸ホール、郵便局、地域情報サービス
〈備考〉
1~2階が店舗と駐車場、それ以上が駐車場になっている建物です。
銀行や郵便局、カルチャーセンターなど公共性の高いテナントが多く、今もその内容は維持されています。
1番街と同様にマイカルから離れることなく残りました。
タルテの塔
3番街に立つ鐘楼です。
かつては最上部に鐘が設置されており、毎日10時、12時、17時に鐘が鳴っていたそうです。
2013年頃までは上の2つ縦長い窓がある所に「3」の数字が掲げられていました。
塔の麓の噴水跡(※2020年6月撮影)
コンクリートで埋められています。
プレート(※2020年6月撮影)
「マリノの泉」と言ったそうです。
3 AVENUE (※2020年6月撮影)
2階デッキからの入口
マイカルそのままの書体が一部残ります。
掲示板(※2020年6月撮影)
屋上(※2020年6月撮影)
屋上から見たタルテの塔
店舗面積:12000平米
延床面積:33177平米
営業時間:10:00~20:30
開業時テーマ:「インターナショナルスクエア」
開業時フロア構成:
- 6階 5番街のペントハウス。アクラ屋外プールと、シーフードレストラン、本牧オフィサーズクラブのフロア
- アクラの室外プール、米軍将校が通うクラブを再現した「本牧オフィサーズクラブ」など
- 5階 スポーツクラブ〈アクラ〉とシーフードレストラン&カフェのフロア
- エグザスなど
- 4階 エンターテイメント・レストランのフロア「世界のエンターテイメントレストラン」
- 3階 本牧エレガントストリート&本牧ブロードウェイ
- 高級品店や劇場「アポロシアター」など
- 2階 インターナショナル・ファッションのフロア
- 1階 インポートファッション・ネビュラ・フロア
- 地下1階 駐車場
1996年リニューアル後のフロア構成:
- 5階、6階 スポーツクラブ
- 「アクラ」が拡大
- 4階 エンターテイメントパーク
- ダイナレックス2号店、レストランは2階に移動
- 3階 紳士・婦人ファッション
- 2階 レストラン・インテリア 生活雑貨
- 1階 インポートファッション&マルチメディア
- ソニーと組んだ「デジタルジム」など
- 地下1階 駐車場
〈備考〉
「4」は縁起が悪いので欠番、3の次は5に飛びます。
異国情緒あふれる建物になっており、開業当初はニチイ直営の「ネビュラ」(ラテン語で星雲の意)を始めとしたインポートショップ、ニューヨークの劇場を再現した「アポロシアター」などの劇場や映画館、米軍接収時代のクラブを再現した「本牧オフィサーズクラブ」などが入っていました。
それに加え、エグザスなどが集まった「ウォーターシティ アクラ本牧」もスポーツクラブも入っています。
1996年のリニューアルによって劇場やクラブはなくなり、エンターテイメント関連テナントの増加といった変更が加えられ、
「エンターテイメント&インターナショナルマーケット」
の建物になっています。
末期は本牧サティの一部として運営されていましたが、2005年頃に閉鎖、5年程放置された後、2010年10月22日に商業施設として復活しました。
デッキ上から見た5番街
マイカル当時は2基あるシースルーエレベーターの上の余白に「5」の数字が掲げられていました。
池の跡
噴水がありましたが、埋められてしまいました。
ロゴの痕
パリの路地裏のような一角
1階から2階にかけての石畳の路地坂「本牧坂」から上を見た図です。
本牧坂の噴水跡
反対側より
6番街
開業時テーマ:「カーラボラトリー」
開業時のフロア構成:
- 2階 機械式駐車場(490台)
- 1階 カーディーラー3店舗、ファーストフード「アービーズ」、駐車場入口スロープ
1996年リニューアル時のフロア構成:
〈備考〉
開業時は自動車がメインだった建物で、大部分は機械式駐車場だったという店舗です。
1996年のリニューアルで大幅に改築され、当初駐車場だった2階以上はフードコートと映画館になりました。「スクラップ&ビルド」と表現されている文献があるため、建て替えたという可能性もありますが真偽は定かではありません。
マイカルタウンの映画館ではあるものの、興行権の問題があったらしく運営はワーナーマイカルではなく松竹との合弁新会社となっています。
フードコートは2005年頃、映画館は運営会社が変わった後2011年に閉鎖となりました。
映画館跡地
末期はMOVIXが入っていました。
映画館看板跡
マイカルのロゴ跡
マイカルのロゴ跡
反対側より
建て替えたのか、それとも上の部分を改築しただけなのか、謎多き店舗です。
7番街跡 ホテル「ル・ファール」
開業:1992年11月30日
延床面積:13220平米
客室数:62室
〈備考〉
ニチイの子会社が運営していたホテルでした。
他の建物に遅れ1992年に開業しました。
2004年4月頃閉鎖、後2005年頃に解体されて現存しません。
8番街跡(ストリートビュー)
駐車台数:210台
〈備考〉
駐車場がメインの建物です。
1階部分にテナントスペースがあり、開業当初はミスタードーナツがあったそうです。
2010年頃に解体され、現存しません。
10番街
駐車台数:200台
〈備考〉
「9」も縁起が悪いため欠番、8の次は10に飛びます。
こちらも駐車場がメインの建物で、1階部分がテナントスペースになっています。
番号
マイカル本牧の建物にはこのように番街を示す大きな数字が掲げられていましたが、今や10番街に唯一残るのみとなってしまいました。
SATYのロゴや「MOVIX本牧」の文字などが残っていました。
10番街から1番街と5番街を望む
11番街
他の建物から数年遅れて出来ているようです。
下層階はクリニックや飲食店、ドラッグストアの入るテナントスペース、上層階は駐車場になっています。
12番街跡地
8番街や10番街のように駐車場がメインで、1階に一部テナントスペースがある建物だったようです。
2000年時点でテナントスペースには「ポパイ本牧店」が入っていました。
1989年の開業当初は平面の「B駐車場」が存在した場所で、1996年のリニューアル時も「B駐車場」が継続してあるためそれ以降に作られたと思われますが、2004年頃に解体されて現存しません。
僅か数年の使用で終わったようです。
これらと共に、よくまとめて紹介される建物が2つあります。
それらはマイカル運営ではなかったようですが、隣接していてマイカル本牧の雰囲気を引き継いでいるという点で、掲載しておきます。
ASTY館
ASTY館跡
開業:1992年8月21日(1993年10月9日全面開業)
建築面積:1160平米
延床面積:4200平米
営業時間:午前10時~午後8時(セガは午後10時)
全面開業時フロア構成:
- 4階 アドベンチャーチャレンジ
- 日本キッドスポーツ運営の遊戯・アスレチック施設
- 3階 ミュージックパラダイス・ガウ
- 2階 ドクター・キッズ・ワールド
- JR東海商事運営、子供向け生活用品ショップ
- 1階 ディズニーストア本牧店(日本1号店)
- 地下1階 セガワールド本牧アスティ館
〈備考〉
JR東海の駅ビルと同じ名前をしていますが、まさしくその通りでJR東海運営だった建物です。
JR東海が駅ビル以外で初めて建設した商業ビルで、小会社の「(株)横浜都市企画」が運営していました。
”ASTY”は、ギリシャ語で「都市」や「町」を意味します。
1992年にディズニーストアやセガワールドが入って一部オープンし、翌年10月に全面開業したそうです。
2002年頃に解体され現存しません。
グロブナースクエア
グロブナースクエア
開業:1990年
〈備考〉
ロンドンの高級住宅街にある王室公園にちなんでこの名前となったそうです。
スペイン風ではありませんが、マイカル本牧のエキゾチックな外観を引き継いでいます。
1階にケンタッキー・フライド・チキンが入居していますが、これは当初から変わっていないのだそうです。
定礎
設置者にマイカルやその他企業名は無く、全て個人名となっています。
入口周りの装飾
「15」の数字
住所の番地を表しているのであって、15番街という意味では無いはずです。
テナント部分は地下1階、地上3階建てで、居住空間も併設されています。
木張りの床や螺旋階段など、これもまたマイカル本牧の雰囲気を引き継いだエキゾチックな空間となっています。
マイカル本牧の建物外観はスパニッシュ・コロニアル風デザインになっており、それにちなんで周囲の通り名も「イスパニア通り」となっています。
駐車場の案内看板
幕は巻き取られてしまっていますが、よく見ると「マイカル本牧」の文字が確認できます。
タイル
各街区間を結ぶペデストリアンデッキ欄干の各所にも、これらと同じ物が設置されています。
バブルの残り香を感じられる趣深い所でした。
〈訪問リスト〉
〈参考リンク〉
本牧サティ・店舗案内(1998年)
本牧サティ・店舗案内(2004年)
本牧サティ・店舗案内(2005年)
~ 本牧サティ ~(2010年)
https://web.archive.org/web/20000620160129fw_/http://www.mycal.co.jp/mycal/navi5.html
https://web.archive.org/web/20060619174127/http://www.mycal.co.jp/mycal/pdf/06_01_21.pdf
https://news.nissyoku.co.jp/news/nss-8015-0034
https://news.nissyoku.co.jp/news/nss-7325-0033
https://news.nissyoku.co.jp/restaurant/grs-62-0008
http://www.jcsc.or.jp/wpjcsc/wp-content/uploads/2015/09/list_of_shopping_centers.pdf
https://www.hamakei.com/headline/5556/
本牧って昔はどんな感じだった?(後編) - [はまれぽ.com] 横浜 川崎 湘南 神奈川県の地域情報サイト
ショッピングセンター 7月(189) - 国立国会図書館デジタルコレクション
ショッピングセンター 8月(202) - 国立国会図書館デジタルコレクション
ショッピングセンター 11月(277) - 国立国会図書館デジタルコレクション
三菱信託調査情報 8月(124) - 国立国会図書館デジタルコレクション
マイカル本牧- ネットの電話帳 - 住所でポン! 2000年版
http://yuko.la.coocan.jp/yokohama-jo-ho-kyoku/kids%20town.htm
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19921101p.pdf(アミューズメント通信社「ゲームマシン」No.437)
ショッピングセンター 9月(227) - 国立国会図書館デジタルコレクション
アミューズメント産業 21(10)(249) - 国立国会図書館デジタルコレクション